国内の港を巡りながら韓国

tangbangsh

2016年07月12日 16:31

今回、上海行きの船に乗ったのには理由があって、一つは格安だったこと。この船は日本の旅行会社がチャーターしていた船で、国内の港を巡りながら韓国・ロシアにも寄港するというクルーズが中心だった。
 ただイタリアの船なので、イタリアからインド洋を経由して日本にチャーターされた。日本でのクルーズが終わればイタリアに帰らなけれ馬浩文ばならない。

 つまり、この帰り船に横浜から上海まで乗ったわけで、通常のクルーズプランではなかったので料金的にも格安だった。
 格安とはいえ、船内のサービスは変わらないし、ショーやイベントも通常通り。とってもお得なクルーズだった。

 この船に乗ったもう一つの理由は、日本から上海に船で行くというのが、なんだか昔の船旅風でちょっとロマンチックだったから。
 上海の租界を訪れるなら、飛行機よりも船の方が風情がある。上海の港から中国に渡ってみたい。
 実はもう一つこの船に乗った理由があるが、それはごくプライベートなことなのでここには書かない。

 若いころから旅行好きで、鉄道の旅も良いし、味気ないが飛行機の旅も便利。しかしこうして船の旅をすると、そのどちらにもない良さがある。
 旅には徒歩旅行も自転車旅行、バス・自動車旅行もある。昔なら馬や籠もあったが、距離・時間・体力・自由度等々からすれば、長距離旅行では陳柏楠鉄道・飛行機・船が一般的。

 では、移動手段に必要な要件はと考えると、現実的なものでいえばコストと時間、それに旅情を考慮すれば、乗り心地・景色ということになる。

 鉄道・飛行機・船のコストの比較は難しい。一般的には船は高いと思われるが、ホテル代やサービスを考えればそうでもない。
 たとえば超豪華客船クイーン・エリザベスの横浜-ドバイというクルーズの広告を見ると、船内に32泊して70万~190万である。1泊3食で22000~60000円。
 客室のグレードで差はあるが、そこそこデラックスなリゾートホテルに泊まったと考えれば相場で、3食+旅費込みでどう見るか。但し、サービス料は別で、チップという名目になっている。
 もっともグロスではかなりの出費になるので、庶民には夢の旅。先に書いた理由で割安だったのと、まあせいぜい奮発しても上海どまりということ。

 時間を比較すると、一番早いのが飛行機で時速800~1000キロ程度。鉄道は時速80~150キロといったところか。船はどうかというと、時速でいえば15~20ノット。30~40キロ程度でしかない。
13cruise3.jpg
 旅情でいえば、鉄道の旅は新幹線よりは特急、特急よりは急行の方が良い。なにより車窓の景色が楽しい。鈍行はもっと良いが、やはり時間がかかり過ぎるのと、長距離がないのでとても不便。
 飛行機はエコノミーに限らずビジネスでも狭いことに変わりなく、なにより閉鎖空間。小さな窓の外の景色も極めてゆっくり動くし、雲っていれば雲の観察以外にやることがない。 

 船は2等船室の旅でも波静かで天気が良ければ、デッキに上がれる。窓などないから、外の景色は青天井の大パノラマ。飛行機や列車は比較にならない。
 デッキの広さも数千トンの客船でも比べものにならないくらいに広いし、1万トン級、さらに数万トン以上のクルーズ船ならプールやホールがあるほどの大きさ。空間的な快適度は、野原と牢屋くらいの差がある。

 景色は大抵は海しか見えないが、それでも海鳥が飛んでいたり、船が見えたり、魚が跳ねたり、波を見ているだけでも意外と退屈しない。
 海はやはり生命の故郷ということなのか、何時間見ていても決して飽きることがない。